がーくんのブログ

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【書評】ファクトフルネス

質問1
現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょう?
A:20% B:40% C:60%

 

 

正解は質問1はCの60%。

質問1はこの本で最初紹介されている,世界の姿に関する22問のクイズのひとつだ。3択の問題なのに,多くの人の正答率は33%を下回ったという。しかも,頭のいい人ほど正答率が低かった。著者はこのクイズを「チンパンジークイズ」と名付けている。ヒトよりも,ランダムにあてずっぽうで答えるチンパンジーほうが正答率が高いことを皮肉っている。

バイアス

あなたが質問1で不正解だったのは,あなたの常識が何十年も前でストップしているからだ。人間にはバイアスがある。人間は数字に弱い。人間の脳にはどうしたってバイアスがある。ネガティブでドラマチックな見方に偏る。単純で筋のとおったストーリーこそが正しいと思い込む。指数関数的な成長を見誤る。

知識のアップデート

質問13
グローバルな気候の専門家は、これからの100年で、地球の平均気温はどうなると考えているでしょう?
A:暖かくなる B:変わらない C:寒くなる

いきなり何を当たり前の質問を,と思っただろう。あなたが質問13で正解したのは,多くの人々の啓蒙の賜物だ。つまり,質問1と質問13で問題の難度はたいして変わらない。知識をアップデートしたかどうかの差が正解と不正解を分断している。僕はチンパンジークイズで22問中20問正解だった。チンパンジーには圧勝した。これはふだん読書で得た知識のおかげだ。

いくらバイアスがあることを理解していてもバイアスはある。これはバイアスに関する名著『シグナル&ノイズ』や『ファスト&スロー』でも指摘されていることだ。だから,自分自身を批判的に見ることが大切だ。そして知識をアップデートし続けなければならない。

僕はインプットをやめたときが「老害」のはじまりだと思っている。幸いテクノロジーのおかげで,知識をアップデートするためのツールはたくさんある。まずは,この本の製作元が作成している「ギャップマインダーツール」を弄ることからはじめよう。