がーくんのブログ

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【書評】サピエンス異変

アントロポセン=人新世 にヒトの身体に起きた健康上の不都合を暴く本。『GO WILD』や『人体600万年史』に近い。

 

ヒトがサルと別れたのが500万年~700万年前。以来ヒトはずーっと裸足で生活していた。それが50万年前に保温のために靴を履くようになった。意外に昔から靴を履いていたらしい。

著者によるとヒトの足には20万個の受容器がある。それを狭い靴の中に押し込めた。機能は使わなければ弱くなる。この本で一貫して主張していることだ。

僕はふだん厚底のウォーキングシューズで出勤しているが,ソールの薄い裸足感覚の靴でも買ったほうがいいかもしれない。

椅子

昔のヒトは座らなかった。狩った獲物をしゃがんで食べた。椅子が普及したのは産業革命以降。座り過ぎはよくない。血行が悪化する。腰が痛くなる。生産性が下がる。とにかくこの本では座ることの恐怖を訴える。

おそらく本当の問題は、座りっぱなしが病気の1つだとは受け止められていないことだろう。医学的に言えば確かに病気ではないが、座りっぱなしは数多くの病気の主原因である。西洋ではここ数十年で喫煙者の数の経験減っていて、その理由として最も考えられるのは、タバコの健康リスクに関する知識が人々に広まったことだろう。痩せているから喫煙しても病気にならないなんてことはない。それが同じことが、身体を動かさないことにも当てはまるのだ。

僕はApple Watchを愛用している。Apple Watchは1時間座りっぱなしだとそろそろ立つよう急かしてくる。不健康はテクノロジーで予防できる時代だ。

(ちなみに僕は足首が固くてしゃがめない。)

食事

著者はCO2濃度の増加が食糧の栄養を低下させているという説を主張している。CO2が増えると光合成が盛んになる。かし土壌の栄養素は増えないので,ミネラルは減って炭水化物だけ増えてしまう。野生の動物が徐々に太っているという報告も何件かあるそうだ。この部分はたった一人の研究者の主張を紹介しているので,かなり眉唾ものだが,継続的に調査する価値は十分ありそうだ。

著者はふだんの生活から心がけるべきことをいくつか提唱している。それをすべて実践するのは個人の努力では残念ながら不可能だ。しかし,こういったエビデンスに基づいて会社や学校もシステムを変え,健康を取り戻すようにしていくのが未来だ。

とりあえず会議は立ってやろう。何より早く終らせることができるから。