がーくんのブログ

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【書評】なぜあなたの予測は外れるのか

人工知能を利用した在庫管理を通して統計的予測の捉え方やヒューマンエラーについて解説し、人間の予測がなぜ外れるのかを明らかにする。

ここで使われる人工知能はT・AI(Timeseries Artificial Intelligence=時間の人工知能)と呼ばれる。販売数量、生産数量、在庫数量などの経済変動量を対象とした「計算知能」で、自然現象、物理法則、感性、創造性などに関する諸量は対象としていないらしい。最近流行りのディープラーニングとも違い学習性があるわけではないが、答えの分からない演算の最適化に特化しているっぽい。

売れたバナナの本数は正しいか?

とあるスーパーでT・AIがその日売れるバナナの本数を482本と予測した。翌日売上実績を確認すると、実販売数は474本だった。このとき、売れたバナナの本数474本は正しいか?

な……何を言っているのかわからねーと思うがおれも何を言ってるのかわからなかった……

この問いに答えるにはホワイトノイズが何たるかを正しく捉える必要がある。時系列データは規則的変動と不規則変動の重ね合わせであり、不規則変動の部分をホワイトノイズという。ホワイトノイズには予測不可能、総和がゼロ、バラつきが一定、データによってバラつき度合いは異なる、という特徴がある。

T・AIは予測時点では規則的変動しかわからず、ホワイトノイズは予測できない。

よって”予測としては”482本が正解。らしい。

要は、完璧な予測なんて不可能で「予測誤差=ホワイトノイズ」となるよう最適化するのがT・AIの仕事。

この本に載ってる事例では、電子機器、納豆、木材などなどあらゆる商品について60-90%の在庫削減効果を示している。

人間の予測とT・AIの予測とでここまで答えが違うということは、人間とT・AIとでまるで思考が違うということだ。

だったら、T・AIの出した答えが正解かどうかどうやって判断するのか。

「今までT・AIが間違えたことがないから今回も正解だろう」とでもするのだろうか?

この本では人間と人工知能の付き合い方はテーマとしていないので浅くしかツッコんでいないが 、こういう事例を知れば知るほど、どうしても哲学的な問いが残ってしまう。